遺留分侵害額請求
遺留分とは?
遺留分とは、相続人に対して、相続することが最低限保障されている相続財産のことをいいます。仮に、財産をすべて長男に相続させる内容の遺言書が存在していたとしても、次男や三男にも、最低限保障されている遺産を遺留分として請求することができるのです。これを遺留分侵害額請求といいます。
また、遺留分侵害額請求の対象となるのは、遺言による相続分だけでなく、生前贈与や特別受益なども含まれます。
遺留分権利者の範囲
遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認めらています。つまり、亡くなった人(被相続人)の配偶者・子・直系尊属(両親や祖父母など)が遺留分権利者となります。
配偶者は常に相続人となり、子は第1順位の相続人であるため、直系尊属(両親や祖父母など)については、子がいない場合に遺留分が認められます。ただし、子はいるが被相続人が亡くなる前に子が亡くなっていた場合、その亡くなった子の子(被相続人の孫)が代襲相続人になります。
遺留分侵害額請求の注意点
遺留分侵害額の請求権には、時効が存在します。民法1048条において「遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」とありますので、注意が必要です。
また、遺留分は、遺留分権利者が亡くなった方との関係で請求できる割合が決まっていますが、遺留分権利者の人数によって変動しますので、計算が複雑です。遺産や相続人の調査についても、取寄せる書類が多くなることもあり、時間がかかってしまうことも少なくありませんので、ぜひ当事務所へご相談ください。